最近SNSでよく見かける「こんな風に注文したのに失敗された!」という投稿。
特に美容系でのものが多くて正直、色々な意味で心が痛みます。
今回はそんなSNSでの炎上について少しお話をしていきたいなと思います。
成人式のヘアセットでの失敗
最近タイムリーなのが成人式のヘアセットでの失敗です。
ここでの失敗は正直にいうと美容業界の事情が深く関わっています。
なぜかというと成人式のヘアメイクは技術が未熟な人の練習場となっている場合があるからです。
成人式は特に特殊な日で1日でかなりの人数の人をこなさなければいけません。
言葉が悪いですが「練習場」にはもってこいの現場なのです。
また私もそこで成長した技術者の一人です。
コテの巻き方、ピンの止め方、髪のまとめ方。
あの人数をこなせばさすがに嫌でも上手くなります。
私の場合はお客様から特にクレームもなく、「やり直してほしい」などということもなかったですが。
それはある程度の技術と知識を持っていたからだと思います。
また成人式のヘアセットは3~5年程度で定番の髪型が変わり、人気になる髪型にも変化が出てきます。
つまり本当はどんなにベテランの技術者でも「常に流行りを勉強していなければついていけなくなる」のが成人式のヘアセットの現場なのです。
そこで流行りについていけなくなった技術者や技術がまだ安定しない技術者がSNSでの炎上の餌食になってしまうのです。
美容院での失敗
こちらもよくSNSでみられる光景です。
これは美容師の技術不足とカウンセリング不足に分かれるのではないかと考えられます。
技術不足はわかりやすい例なので「がんばれ」としか言いようがないですが(笑)
特に問題なのはカウンセリング不足です。
これは美容師側とお客様側のどちらかが問題があるはずです。
特に美容院に関しては私は「一人の美容院、美容師に長くやってもらうこと」をおすすめしています。
なぜかというと髪には履歴があり、お客様が「これは言わなくてもいいことだろう」というのが大きな失敗につながるからです。
例えば黒染めやブリーチをした場合。
これはどんなに時間がたってようがそこの部分の髪を切らない限りずっと履歴が髪に残ります。
「黒染め1年前にしたけどかなり前のことだし別に言わなくてもいいよね」と思っていたら大間違いです。
そこでブリーチをした場合、黒染めした部分はムラになります。
これで「大失敗された!!」と言われてはもちろん過失は美容師側になってしまいますが、「言わなかったそっちにも問題があるだろう」が正直な本音です。
また14トーン以上の明るさを「ブリーチなしで叶えてほしい」というのも無理です!(笑)
髪を明るくしたいならそれ相応のリスクを承知の上でする必要があります。
また行きたい美容院が「どんな髪型やカラーをするのが得意なのか」を事前に調べておくと良いです。
「人には向き不向きがある」通り「美容師にも向き不向き」な技術があるのが現実です。
上手い技術者は臆病者
上手い技術者は自信はあれど臆病者が多いのではないかと私は思います。
「常に自分の技術に疑問を持つ」ことで常に勉強をするからです。
また技術を上下関係を気にすることなく学べる機会があればもっと日本の美容業が発展するのではないかとも思います。
成人式の前は必ずヘアセット・メイク講習会に参加する。
美容院で全スタッフの技術を測る機会を作るなど技術の底上げができるとこういったSNSでの炎上を防げるのではないかなと思います。
こういったこともSNSで議論することができれば良い時代ですよね。